法務大臣閣議後記者会見の概要 令和5年6月27日(火)(外部リンク:法務省ウェブ)
難民認定制度に関する質疑について 【記者】 【大臣】 【記者】 【大臣】
難民認定申請のアクセスのことで伺います。前回の記者会見でも出ましたけれども、東京入管で面会支援者が難民認定申請書を差し入れしようとしたところ、入管職員に拒否されたということがあったようです。6月14日に、野党国会議員の難民問題に関する議員懇談会が入管庁へのヒアリングを行ったのですけれども、その中で本人からの申入れがあれば交付をするけれども、差し入れの場合は、「保安上の理由」で許可しない場合もあるという回答でした。なぜ保安上の理由があるのか理解不能ですが、そもそも難民申請にたどり着くまでが非常に難しいという現状があります。空港で申請しても上陸拒否にあって、空港でそのまま帰国させられるか、退去強制手続に入って、入管収容施設に収容されるということが非常に多いと思います。以前にも、アフガン難民が成田空港で上陸拒否されて、30人近くが牛久の入管センターで長期収容されて大きな問題になったこともありました。仮に運よく入国できても、難民認定手続のことがわからなくて、オーバーステイなどで退去強制令書が出てから入管収容中に難民申請する人が多いと思います。
入管側は「難民申請の濫用者が多い」とか、今回のように「保安上の理由」で難民申請書の差し入れを拒否することもあるようですけれども、実際は庇護が必要な人に対して、難民申請しやすい環境を整備できるかどうかというのが喫緊の課題だと思うのですけれど、そういった難民申請へのアクセスについて、ちゃんと調査をして調査結果を報告して改善するお考えはあるのでしょうか。国会では難民の推算方法に問題が多いことが指摘されましたけれども、申請手続にも非常に問題が多いと思うのですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
御質問の中で言及のあった被収容者や空港での庇護を求めた者への対応に関する見解は、御質問者の見解として承りました。
まず、被収容者に対して難民認定申請の機会を適切に与えることは重要だと考えています。被収容者に難民認定申請書の交付の希望があれば、これを確実に交付しなければいけませんし、そのようにしております。
被収容者に対する物品の差し入れがあった場合、一般論として申し上げれば、保安上、衛生上の支障の有無を踏まえて、所長等が差し入れの許否を判断しているところであります。
また、上陸手続の中で外国人から我が国に庇護を求める供述があった場合や、難民性を主張する場合には、一時庇護上陸許可申請や難民認定申請の機会を適切に与えることも重要と考えておりまして、これらの申請について確実に案内し、適切に対応しているところです。
調査の話がありました。このように保護を求めている方にはこれまでも適切に難民認定申請等を行う機会を確保しているところでありますが、御指摘があれば、その都度事実関係の確認を行っています。その過程において調査が必要だと判断した場合は、当然、調査をするということになりますけれども、現時点において確認をする限りは、その必要はないと判断しております。引き続き真に保護を必要とする方々を確実に保護できるよう取り組んでいきたいと考えております。
大臣は、柳瀬さんをかばう理由としてほかの参与員も同じような意見だからということですが、例えば今回の国会質疑で参考人となった浅川参与員も難民認定率は0.0パーセントと極端に低く、ろくに出身国情報を見ないという発言が各方面から大いに批判を浴びています。そういった柳瀬さんや浅川さんのような、難民はいないという立場の参与員の御意見しか大臣は聞いていないんじゃないかというような疑いが出てくるわけです。もしそうでないというのであれば、大臣は、難民参与員を差別しているわけではない、個別の参与員に肩入れしているわけではないとおっしゃるのであれば、例えば北村泰三中央大名誉教授だとか、鈴木江理子国士舘大学教授だとか、難民はいるという立場の参与員の方々もいるんですよね、しっかりと。そういった方々の参与員問題の課題について、ちゃんと聞かないと、大臣としてはちゃんと説明しているつもりかもしれませんけれども、やっぱりその国会質疑だとか、記者会見だとか聞いてて、絶対納得いかない記者や議員や一般の有権者はいると思うのですよ。私自身もそう思いますし。やはり、そこはちゃんと参与員の現在の制度に問題を指摘している参与員の方々の意見も聞くべきではないかなというのが1点と、先ほどの質問の続きなんですけれども、一般論として入管の、東京入管だったら東京入管の責任者が受け取りを拒否することもあるというふうに聞きましたけれども、例えば難民認定の申請の書類を拒否するってのはありえないと思うんですけれども、そこは一般論じゃなくて難民認定申請書に限ってお答えいただけたらと思います。
前者につきましては、もうこれまで何回答弁しているか分かりませんが、裁判それから難民以外でも保護してきているということも何十回も御説明しておりますので、お答えは同じことになってしまいますが、ただ参与員制度につきましては、この運用については、今後、やはりちゃんと私は、注視をして、おかしいことがないかどうかというのは、しっかりやっていきたいというふうに思っています。
二つ目の質問につきましては先ほど御答弁申し上げたように、御指摘を受けた案件について、私、事実関係を調べています。ただ、具体的やりとりについては、個別の案件ですから皆さんにお話することはできません。お話を受けて事実関係を確認している中で、これは入管側の行為に不適切な対応があったとは思えないやりとりでありますので、そこはあえて、今回の件で、改めて調査をする必要はなかろうと思います。しかし、今後、指摘がある度に、私はしっかりと事実関係を確認して、誤りがあるようであれば、正すなり、調査するなりしていきたいと思っていますが、現時点で私が把握する限りにおいてはその必要はないと、これも先ほど答弁したとおりであります。